ナインシグマ・アジアパシフィック株式会社
マネージャー
山本 洋(Yamamoto, Hiroshi)様
〇グローバルオープンイノベーションフォーラムとはどんなフォーラムなのですか?
山本様:ナインシグマが普段行っているのは、オープン・イノベーションの支援です。2000年度初頭から、欧米を先駆に始まった取り組みで、"外部から様々な知識と技術を取り入れて自社のものにする"ことを目的としています。
もちろんもともと日本企業でもやっていることですが、それを「しくみとして取り入れる」ことで企業のイノベーション創出に繋げていこうという試みです。
「オープン・イノベーションのしくみづくり」は欧米が数年先をいっているため、海外のエグゼクティブの生の情報を、国内の企業の役員クラスの方や実務レベルの方にお届けするという活動は意義のあることだと考えています。
このフォーラムは、2013年から実施しており、毎回違った講師の方をお呼びし、ご講演いただくことに加え、ご参加いただいた企業の皆様との間のグループディスカッションを取り入れることによって、「それを日本で展開する具体的なアクションにつなげよう」ということを大切に実施している有償イベントです。
参加者は国内大手企業の役員クラス、実務を担当される部課長クラスの方々になります。
参考:https://www.ninesigma.co.jp/goif/
サイマル:今回2020年5月、6月にインタープリファイを利用した同時通訳をご利用いただきましたが、普段はどのような形で行っているのですか?
山本様:今までは講師の方に来日いただくフェイスtoフェイスでのフォーラムでした。前半は講師の講演、後半はグループディスカッションを行います。同通機材を入れて通訳者さんもその場にいる形で実施していました。
2020年2月実施を予定していた会の延期を決定できたのが、開催の2営業日前でした。アメリカのエグゼクティブを招く予定で準備をしていたのですが、新型コロナウイルスの状況が毎日目まぐるしく悪化、講師が来日してもアメリカに戻れなくなる可能性や、受講者も集合できないということで直前に断念しました。
この2月に中止になった回のフォーラムを5月にインタープリファイで完全オンラインで実施しました。
サイマル:2月にキャンセルになったエグゼクティブの講師の方がそのままオンラインセミナーの講師となったのですか?
山本様:はい。当初秋くらいに同じ講師の方に来日していただき、集合開催も検討しましたが、新型コロナウイルスの状況が読めない中で、単なる延期は難しいと思いました。
継続的に続けるプログラムスケジュールを考えると、「Withコロナ」「人と話すのはオンラインのみ」という状況でも開催できるような状況にしていかないといけないと考え、できないことではなく、できることに目を向けました。
講師の方に来てもらうのが当たり前だったものをオンラインで、参加者も来てもらうのが当たり前だったものをそれぞれの場所からオンラインで参加いただくことにチャレンジすることを検討していた際に、サイマルさんにインタープリファイを紹介いただきました。
サイマル:講師もオンライン、参加者としてもオンラインということなら、ディスカッションパートはどのように実施されたのですか?
山本様:もともとは、参加者間テーブルディスカッションを行っているときに各テーブルに対して15分ずつ講師が回って参加するようなスタイルでした。
2月に中止になったフォーラムではそういう形式を考えていましたが、5月のオンライン開催では我々も手探りだったため、テーブルディスカッションは行いませんでした。ですが、単純に講演を聞くだけだと、どうしても「聞いて終わり」になってしまいます。
6月に実施した回では、「海外でそんなことをやっているんだ。いい話を聞けた。」で終わらせないためにも、バーチャルでのグループテーブルディスカッションにトライしました。
今回のバーチャルディスカッションでは、講師へどんな質問をするかということを、弊社メンバーのファシリテーションのもと、日本側の参加者間でオンライン会議相談をしてもらい、そのあとに通訳も入れて講師に対して質疑応答を行うという形で実施しました。ここはオンライン会議の使い方も含めてまだ試行錯誤ですね。
〇インタープリファイを利用してみて講師や参加者の反応はどうでしたか?
山本様:講師にも参加者にも、特に問題なく使っていただけたと思います。
もちろん、その場で集合する形式であれば、ものを見せながら「レシーバーのチャンネルを1に合わせてください」などの利用方法も説明しやすいのですが、すべて遠隔での開催の場合だと、事前の説明がポイントだと思います。
アプリの準備も必要だし、初めてインタープリファイを触って何も説明なく使えるというものでもないので…。
今回はサイマルさんに説明資料などご提供いただきましたが、それをオンラインミーティングの前に参加者に展開しておくなどの工夫が必要でした。
サイマル:講師も参加者もエグゼクティブクラスが多いと思います。アプリを予めダウンロードするなど新しいしくみを導入するのは気を遣われたと思います。反応はどうでしたか?
山本様:心配はしたのですが、案外スムーズにいきました。事前問い合わせに備え対策チームを用意していたのですが、特に問い合わせもありませんでした。
お忙しい方が多いので当日、一部の方が事前のアプリダウンロードをされていないなどはありましたが、大きなトラブルはありませんでした。
サイマル:インタープリファイを利用してみて、以前の同通機材と比べての感想をお聞かせください。
山本様:リアルでやっているのと、ほとんど変わらないクオリティでやっていただけたと思います。
初回利用の際は通訳さんがまだ遠隔通訳に慣れていない印象はありましたが、2回目はそのようなこともなかったです。
〇これからインタープリファイを利用される方へ
サイマル:インタープリファイの利用を検討されている方へのメッセージをいただけますか?
山本様:最近は「機械翻訳」の質も上がり、海外の情報は以前と比べてとりやすくなってきていると思います。
とはいえ、リアルタイムで現地の方とお話をするのは相応の価値があり、そのチャンスを「あんまり英語が得意じゃないから」と躊躇してしまうのは機会損失です。
インタープリファイは、そういう壁を越えてリアルにやりとりできる。Withコロナの時代においても、フェイスtoフェイスの制約なく、言語の制約もなくできるのはいいですよね。
時代に合った大きな価値だと思います。
サイマル:本日は貴重なお話をありがとうございました。
(取材日:2020/7/8)